2018年4月に惜しまれつつも解体された筥崎宮の大鳥居。
解体理由は安全性確保(モルタルが落下する危険性があった)の為だった。
現在、大鳥居があった場所はどうなっているのだろうか?
2018年4月の解体作業の様子と共にお伝えする。
2018年4月
解体作業の期間は2018年3月上旬〜4月末だった。
上記の写真は4月12日に撮影したもの。
白い柵内にて解体作業が行われた。
この頃は既に大鳥居の姿はなかった。
この時、残っていたのは基礎部分のみ。
2019年1月
驚くほど何もない状態だった。
特にモニュメントらしきものもなし。
土地勘がない人がここに来たら、以前ここに大鳥居があったことなんて気づきもしないだろう。
大鳥居の歴史
筥崎宮の大鳥居が建立されたのは1930年とその歴史は古かった。
解体まで88年もの間、あの場所に立っていたことになる。
大鳥居を奉納したのは田川市出身の実業家・林田春次郎氏。
昔は大鳥居などを寄進するのは富裕層にとって一種のステータスだったそうだ。
林田氏は後に初代田川市長になり、筥崎宮の他では宮地嶽神社や英彦山神宮にも鳥居を寄進している。
当初、大鳥居は高さ30メートルを予定していたそうだが、楼門(16メートル)より高いのは如何なものかということでこの計画は断念されたそうだ。
その後、大鳥居は戦時中も大きな被害を受けずに立ち続ける。
1974年に一部分(上部)に崩壊が見られたが、補修して事なきを得た。
しかし、2016年の熊本地震などの影響(福岡で震度5弱の揺れ)もあり、柱にひび割れが見られるように。
2017年末の定期診断で「モルタルが落下する危険性がある」と診断され、安全確保のため88年の歴史に幕を閉じることになった。
数字で見る大鳥居
・高さ16・25メートル
・2本の柱の円周は10・30メートル
・再建も一時は検討されたが建設費が5億円かかる為、断念された