九州(福岡県北九州市)と本州(山口県下関市)を隔てる関門海峡には、1つの橋と3つのトンネルがあります。
今回は、この関門海峡について下記の点を中心にまとめました↓
- 場所・地図
- 距離
- 橋とトンネルの場所・役割
関門海峡はどこからどこまでなのでしょうか?
海底にある3つのトンネルはどこにあるのでしょうか?
地図・写真を交えながら解説していきます。
関門海峡はどこからどこまで?
地図の赤丸部分が関門海峡がある場所↑
青い線が関門海峡の大まかな範囲になります↑
関門海峡は、東は北九州市門司区部埼から西は下関市六連島まで続いており、距離は15海里(27.78km)。
この間には大瀬戸と早鞆瀬戸(はやとものせと)があります。
大瀬戸は水深が浅い箇所、早鞆瀬戸は関門海峡で最も幅が狭い箇所(約630メートル)。
詳しくは後述しますが、この2つ地点はトンネル・橋を作る上で非常に重要なポイントになります。
【関門海峡】トンネルと橋の場所・地図
続いては、関門海峡にある橋とトンネルに関して。
詳細は下記の通りです。
トンネル↓
- 関門鉄道トンネル ・・・ 電車(JR)
- 関門国道トンネル ・・・ 車・人・自転車
- 新関門トンネル ・・・ 新幹線
橋↓
- 関門橋 ・・・車
関門国道トンネルに関しては2階建の構造になっており、上の階は車道、下の階は人道(人・自転車)。
また、同じ車道である関門国道トンネルと関門橋の違いに関してですが、関門国道トンネルは国道、関門橋は高速道路になっています。
それでは、各々の特徴を写真・地図を交えながらお伝えていきます。
関門鉄道トンネル
関門鉄道トンネルはJR山陽本線。
ここから3605メートルのトンネルが続きます。
写真を見て”あること”に気づきませんか?
実は、関門鉄道トンネルには上り線・下り線で2つのトンネルがあるのです。
なぜ、わざわざトンネルを別々に2つも掘ったのでしょうか?
そこには時代背景もありました。
最初に海底トンネル構想が出たのは1911年のこと。
当時、下関駅と門司駅は鉄道連絡渡船で繋がっていたのですが、潮流が急で危険だった為、海底トンネル構想が持ち上がったのです。
鉄橋という案も出たのですが、戦時下であり、敵から攻撃されたらひとたまりもないので断念。
そこで浮上したのが、敵から攻撃されにくい海底トンネルでした。
海底トンネルには人を運ぶ以外に、物資や大量の武器を輸送する役目もあったのです。
では、なぜ2本もトンネルを掘る必要があったのか?
そこには万が一、1つのトンネルで事故が起きても、もう1つ別にトンネルがあれば輸送が滞らないという考えがあったからです。
要するに、1つよりも2つの方が安全・安心ということ。
更には上下線を一つのトンネルで作るよりも、上り線・下り線で別々のトンネルで作った方が難易度・工事費が低いという点も大きかったようです。
関門鉄道トンネルの下り線は1936年に着工し、1942年に完成。
上り線は1940年に着工し、1944年に完成しました。
なぜなのでしょうか?
理由は、他のトンネルが掘られている関門海峡で最狭部の早鞆瀬戸(はやとものせと)は水深が深かったからです。
水深が深いとその分、急勾配になり、これが鉄道には不向きと判断れました。
その為、関門鉄道トンネルだけ水深の浅い大瀬戸に掘られたのです。
トンネルの長さは下り線が3614メートル、上り線が3605メートルあります。
関門国道トンネル
前述の通り、関門国道トンネルは2階建の構造。
上の階が車道、下の階が人道になっています。
割合で言うと、トンネル上部3分の2が車道、下部3分の1が人道ということになります。
関門国道トンネルが開通したのは1958年のこと。
途中、第二次世界大戦による中断なども含め、着工から開通までは実に21年を要しました。
人道トンネルの長さは780メートル。
このトンネルを使えば、歩いて10分ほどで九州〜本州を行き来することができます。
歩行者は無料、自転車・原付の場合は20円の通行料が必要になります。
人道トンネルに興味のある方はこちらの記事をご覧ください↓
写真付きで人道トンネルの様子を詳しくまとめています。
新関門トンネル
新関門トンネルは新幹線が通るトンネルで、小倉駅〜新下関駅の間にあります。
1970年に着工し、1975年に開通しました。
このトンネルの凄いところは全長18.713kmという長さ。
ものすごい長さのトンネルですね。
小倉駅〜新下関駅のほとんどの区間はトンネルなので、初めて通る人は結構驚くと思います。
関門橋
続いては橋。
山口県下関市と北九州市門司区を結び、全長は1068メートル。
巨大な橋で白色で目立つことから、下関・門司をはじめとする広範囲から見ることができます。
関門橋と関門国道トンネルは、わずか200メートルしか離れていません。
この橋とトンネルが集中する早鞆瀬戸は、関門海峡で最も狭い箇所で幅は約630メートルです。
まとめ
以上、関門海峡にあるトンネルと橋についてでした。
改めて地図で振り返ると、下記の通りになります↓
トンネル↓
- 関門鉄道トンネル ・・・ 電車(JR)
- 関門国道トンネル ・・・ 車・人・自転車
- 新関門トンネル ・・・ 新幹線
橋↓
- 関門橋 ・・・車
各々の完成時期は、関門鉄道トンネルが1942年、関門国道トンネルが1958年、新関門トンネルが1975年、関門橋が1973年と結構、古いです。
一部のトンネルは完成後60〜70年が経過しているので老朽化が心配されるところ。
この老朽化問題に加え、渋滞緩和策として新たに橋を作る構想もあるようです。
もし、本当に新しく橋ができたら、関門海峡の風景も大きく変わることでしょう。
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