今回はかつて福岡と熊本を結んでいたトンネルについてお伝えします。
トンネルといってもその長さは130メートルの生活用トンネルでした。
なぜ、そんな短いトンネルを作る必要があったのか?
現在は閉鎖されているトンネルの様子と共に解説していきます。
桜町トンネルとは?
そのトンネルの名は桜町トンネル。
桜町トンネルは、世界遺産で有名な万田坑にあります。
この万田坑というのがポイント。
万田坑は熊本県荒尾市にあるのですが、敷地のすぐ外は福岡県大牟田市。
つまりは、県境に建つのです。
万田坑と桜田トンネルを地図で見るとこんな感じ↓
中央の点線が福岡と熊本の県境になります。
桜町トンネルは、ご覧のように両県にまたがって作られています。
桜町トンネルの写真
こちらは荒尾側から見た桜町トンネルの様子。
トンネルが建設されたのは1933年。
数年前までは通れたそうですが、現在は安全上の問題から完全に閉鎖されています。
網の隙間から見たトンネル内部の様子。
- 幅 2.7m
- 高さ 2.4m
- 全長 130m
壁は切石で積まれ、天井はコンクリートで覆われています。
桜町トンネルの意義
ここで気になるのが桜町トンネルを作った目的。
なぜ、わずか130メートルのトンネルを作る必要があったのか?
万田坑の敷地はかなり広いです。
よって、この周辺に住む人は荒尾から大牟田へ行くとなると遠回りしなければいけませんでした。
しかし、万田坑の地下に桜町トンネルができたことによって、両県の住民はわずか130メートルで県をまたげるようになったのです。
では、なぜわざわざお互いの県に行く目的があったのでしょうか?
当時、両県にあった主なものは下記の通り↓
- 熊本県荒尾市 倉掛商店街・大きな売店
- 福岡県大牟田市 共楽座という芝居小屋
わずか130メートルのトンネルは、生活を豊かにするために多くの人に活用されていたのです。
以上、かつて福岡と熊本を結んでいたトンネルについてでした。