旧博多駅があった場所
出来町公園は福岡市営地下鉄・祇園駅から徒歩3分ほどの場所にある。少し離れているが、博多駅からも歩いて行ける距離だ。
この出来町公園は、あることで有名だ。
それは以前、博多駅があった場所だということ。
実は、現在の博多駅は1963年に移転してできたもの。それまではこの出来町公園に博多駅があったのだ。
以前、当サイトで紹介した昔の福岡を撮った写真集「街角の記憶」の34ページにも、その当時の博多駅の様子は写っている。
著作権などもあり、ここではお見せできないが、昔の博多駅は写真で見る限り、2階建だったようだ。
駅舎の雰囲気は門司港駅に少し似ている感じがする。
そして、駅の壁にはデカデカと「日本食堂」の文字が。おそらくは駅舎内に大きな食堂があったのだろう。
気になる方は、一度「街角の記憶」にてご確認下さい。
出来町公園の雰囲気
少し話が逸れてしまったが、ここからは出来町公園の雰囲気をお伝えしたい。
出来町公園はビル群の中に、すっぽりとできた広場といった感じだ。
”公園”という名は着くが、ブランコや鉄棒などの遊具は一切ない。
中心地にはグラウンドがあり、それを取り囲むようにモニュメント、駐輪場、バス乗り場などがある。
駐輪場、バイク置場があるのはビジネス街に位置し、近くに駅がある為だろう。
その為か、いつも多くの自転車がこの公園には停まっている印象がある。
ご覧のように出来町公園にはバス専用の精算機なるものも設置されている。私自身、バス専用精算機を見たのはこれが初めて。中々、珍しい(?)ものかもしれない。
なぜ、公園の横に大型バスの乗降場があるのか?
ここからは、あくまでも私の推測なのだが、出来町公園近辺にはたくさんの神社・お寺があるからだと思う。
ざっと思いつくだけでも聖福寺、東長寺、承天寺、若八幡宮などが出来町公園近辺にはある。
実は、何度か大型バスから観光客が出てくる様子を見たことがあるのだが、それは全て中国からの観光客だった。
上記に挙げた寺の多くは中国と非常に縁が深い場所。
中国人観光客にとって、自国の文化が伝来している様を見るのは興味深いことなのだろう。
出来町公園で降りたら、これらの寺は徒歩圏内にある為、一気にまとめて見て回ることも可能だ。
出来町公園のモニュメント
出来町公園には、大きな2つのモニュメントがある。
これは前述の通り、以前、この場所に旧博多駅があったことに由来する。
因みに、博多駅が現在の場所に移転した正確な時期は1963年12月1日のこと。
その後、1965年に出来町公園が整備されることになる。そして、2017年12月に公園はリニューアルされ、現在に至る。
作品名は
「博多駅 寝吾庭者不顧深山幽谷」
漢字ばかりでよく意味が分からない。
そう思う方もいることだろう。
実は、この石刻円柱モニュメントは2010年に行われた上海万博で展示されていたものなのだ。その為、タイトルは全部漢字。
作品を作った意図は、友好駅である上海駅と博多駅の相互発展を願ったもの。
タイトルは「列士」皇帝の「寝吾庭者不願深山幽谷」を参考にした造語。
「博多駅 寝吾庭者不顧深山幽谷」を和訳すると「この地は心安まる素晴らしい処で、あえて深山幽谷を求めることをしない」となるそうだ。
深山幽谷(しんざんゆうこく)とは、奥深い自然の地を意味する。
つまりは、この場所が素晴らしいところなので他に行く必要はないということだ。
出来町公園のアクセス
住所:福岡市博多区博多駅前1丁目10