三池港の閘門
三池港は1908年に開港。日本で唯一の閘門式の港だ。2015年には世界文化遺産に登録された。
三池港閘門の幅は約12.2メートル、高さ約8.8メートル、重さ約91トン。イギリス製の鉄鋼製扉で閉門時には(左右両方の閘門を合わせて)約20メートルにもなる。
12.2メートルの扉が2つなら24.4メートルじゃないの? そう思われる方も多いかもしれない。これは扉が一直線上に閉まらない為である。少し角度が余る為、約20メートルということになる。
閘門は水圧を利用した観音開きの開閉により、約5.5メートルと干満差の大きい有明海にて水位を調整している。
閘門ができたことによってドック内の水位が一定に保たれ、大型船の停泊・石炭積み込みが可能になった。
ドッグを含んだ三池港の様子は上空から見るとハチドリが羽ばたくような形になっている。その為、ハミングバード(ハチドリの英語名)とも呼ばれている。
三池港閘門は現在も稼働。閘門の開閉時間はコチラにて確認できる。月の半分は開閉されるようだ。
三池港の歴史
三池港築港以前は、大牟田川から小型船で口之津港(長崎県南島原市)や三角西港(熊本県宇城市)まで石炭を移送し、そこから大型船に積み替え海外へ輸出していた。
つまり、たくさん石炭が取れても当時の大牟田には大きな港がなかった為、大型船が停泊できなかったのだ。その為、小型船でわざわざ口之津港、三角西港まで運んで、そこから大型船へ積み替えしていた。
これは二度手間で非常に効率の悪いことだった。しかし、当時の大牟田の海は前述のように浅瀬で干満の差が激しく、大型船を停泊させるのは地形的に難しかった。
そこで立ち上がったのが團琢磨。当時、三井三池炭鉱社事務長だった團琢磨は、この事態を解消するために三池港の築港を行った。
三池港ができたことで、一気に作業効率はアップ。宮原坑、万田坑などからは専用鉄道で三池港に毎日多くの石炭が運ばれ、そこから世界へと輸出されて行った。
三池港展望所
三池港展望所の雰囲気はこちら。遠くに三池港閘門が見える。
展望所には駐車場完備(無料)。駐車場のすぐ横には案内所があり、希望すればガイドしてもらえる。
三池港展望所の場所は上記赤丸部分。少し分かりにくい場所にあるため、見逃さないように(雰囲気的に一瞬、工事現場かと思ってしまう)。
因みに三池港展望所から閘門までは結構距離がある。その為、少し見えづらい。
間近で見たければ、高速船三池島原ライン乗り場まで行くと良いだろう。近くには公園があり、その横には駐車場もある。
おそらく、そちらからの方が三池港の閘門がよく見えるはずだ。
その公園近くから撮った閘門の写真がこちら↓
駐車場の場所は下記地図の赤丸部分。ご参考までに。