今回は「伯方の塩」に関して下記の点を中心にお伝えします↓
- 博多との関係は?
- 名前の由来は?
- 原産地はどこ?
- メキシコと深い関係?
私自身、以前、県外に住んでいたのですが、福岡出身ということで何度か変わった質問をされたことがあります。
それは
「やっぱり博多の人って伯方の塩が好きなの?」
というもの。
当初は「ハカタ」という響きを並べたジョークかと思っていたのですが、本気の質問でした。
どうやら「伯方」を「博多」の別表記と思っていたり、そもそもの漢字を「博多の塩」と勘違いしている人が一定数いるようです。
このような誤解を解くため、今回は「伯方の塩」を色んな角度から見ていきたいと思います。
もしかしたらビックリする情報もあるかもしれません。
伯方の塩は博多じゃない?
まず最初に大事なことを言っておくと、伯方の塩は博多とは全く関係ありません。
こちらは伯方の塩のパッケージの裏面表記↑
赤枠部分を見ると分かる通り、製造者・製造所は共に伯方塩業株式会社と記載れされています。
この伯方塩業株式会社は愛媛県にある会社です。
「伯方の塩」の名前の由来は?
次に伯方の塩の名前の由来に関して。
これまた博多とは全く関係ありません。
ただ「ハカタ」と言う読み方が同じなだけです。
伯方の塩の名前の由来は、瀬戸内海に浮かぶ伯方島(はかたじま)から来ています。
地図の赤丸部分が伯方島↑
愛媛県今治市にある島で、造船業が盛んな所です。
伯方の塩の原産地はどこ?
このように伯方の塩は製造者・製造所・名前の由来全てが愛媛県な訳ですが、パッケージの裏面を見ると一点気になる表記があります。
原材料名を見ると
- 天日海塩(93% メキシコまたはオーストラリア)
- 海水(7% 日本)
と記されています。
何と原材料の大部分が海外。
これは一体どのようなことなのでしょうか?
原材料名にメキシコと書いてある理由
パッケージに表記されている通り、伯方の塩はメキシコまたはオーストラリアから天日海塩を輸入しています。
その経緯を時系列で表すと下記の通りになります↓
塩田法とは、日光により海水を蒸発させて塩を作る方法。
↓
1971年、政府は塩業近代化臨時措置法を成立させ、日本では塩田法が廃止される。
この法を成立させた理由は、塩を効率良く作る為(塩田法は時間がかかる)。
↓
伯方の塩は塩田法にこだわりを持っていた為、1972年にメキシコの塩田で作った塩を輸入して伯方で精製することにした。
↓
その後、メキシコだけではなくオーストラリアからも輸入されるようになった。
以上のことから、伯方の塩の原材料の93%は海外からということになるのです。
尚、輸入した塩を日本の海水に溶かして作っている為、原材料の7%は海水(日本)ということになります。
伯方塩業株式会社の設立は、塩業近代化臨時措置法が成立した2年後の1973年。
自然塩を求める消費者運動が起こった為、国から特別に自然塩の製造・販売が認可されて設立しました。
まとめ
伯方の塩に関して重要な点をまとめると、下記の通りになります↓
- 博多とは関係ない
- 製造する伯方塩業株式会社は愛媛県の会社
- 名前の由来は伯方島(愛媛県今治市)
- 原材料の93%はメキシコまたはオーストラリアから輸入している
当初は伯方の塩は博多とは関係ないことだけをお伝えしようと思っていたのですが、色々と情報を調べていくうちにワールドワイドな展開になってしまいました。