福岡市西南部にある標高596メートルの油山。
市内を一望できる展望台があることでも有名です。
今回は、この”油山”という何ともインパクトのある名前の由来をお伝えします。
また、油山は昔、あることでかなり栄えていました。
油山の名前の由来
油山という名前は、山に茂っているツバキの実から、灯火用の油を搾ったことに由来します。
一説によると、572年に清賀上人(せいがしょうにん)が油を搾ったそうです。
この清賀上人は、実にすごい人。
福岡市西側・糸島周辺には、清賀上人が開いたとされる寺院が数多く残っています。
諸説あるようですが、清賀上人は天竺(現在のインド)からの渡来僧だったそうです。
油山観音
その清賀上人が油山に開いたお寺は、今も残っています。
それは、山の中腹にある油山観音。
実は、この油山観音周辺は、昔はかなり栄えていました。
平安時代末期から鎌倉時代にかけて、油山観音を中心に最大720ヶ所もの僧坊(僧侶の住む建物)があったそうです。
勉学目的の多くの僧が集まり、九州仏教文化の中心地だったとか。
残念ながら、その後の戦乱で一帯は衰退しましたが、福岡藩主の黒田家が江戸時代に入って再建。
現在に至ります。
油山観音と美空ひばり
油山観音には、雲雀(ひばり)堂なるものがあります。
雲雀堂とは、故美空ひばりさんを偲んで作られた建物(上記写真の右奥)。
美空ひばりさんにとって、福岡という地は済生会福岡総合病院で一度は命をとりとめたり、公演をするなど縁の深い場所。
雲雀堂には、美空ひばりさんを思い作られた”ひばり観音像”もあります。
油山観音の場所
住所:〒814-0155 福岡県福岡市城南区大字東油山508