新宮といえばIKEA。
IKEA福岡新宮はJR新宮中央駅を降りてすぐの場所にあり、敷地面積は62,000㎡（東京ドーム1.3個分）もあります。
JR新宮中央駅が開業したのが2010年3月。
IKEA福岡新宮が開業したのが2012年4月。
それ以降、周辺には多くのお店やマンションが次々と建ち並び、新宮町の人口は劇的に増加しています。
2010年に24,649人だった新宮町の人口は、2023年には33,251人。
わずか10年ちょっとで、新宮町の人口は約35%も伸びたことになります。
以上のことから、てっきりIKEAの誘致が決定した後、入念に都市計画が展開されたと思っていたのですが、どうやらそうではなかったようです。
実は、IKEAがある場所には日本の某有名ショッピングモールができる予定だったそうですが、ある事情により計画が頓挫し、現在に至っているのです。
今回はその点も含め、IKEA福岡新宮が誕生するまでの経緯をお伝えします。
新宮にイオンモールができる予定だった？
先日『福岡はすごい』という本を読んだのですが、そこにIKEA福岡新宮が誕生するまでの経緯が記載されていました。
なんとJR新宮中央駅前にはイオンモールができる予定で仮契約まで結ばれていたそうです。
この計画はかなり具体的な所まで進んでおり、駅とショッピングモールを立体歩道橋で繋げる案まで出ていたそうです。
しかし、2008年に起こったリーマン・ショックの影響を受け、契約は頓挫することに。
幻のイオンモール新宮計画を年代順にまとめたものがこちら↓
イオンが新宮での事業認可申請を行う
地権者との間で仮契約まで結ぶ
↓
2008年9月
リーマン・ショックで世界的な金融危機
↓
2009年1月
イオンは新宮への出店計画を断念
イオンが新宮への出店計画を中止した最大の理由はリーマン・ショック。
世界的な金融危機でどの業界も今後に不安を抱えている状態だった為、テナントの確保が難しいと判断し、2009年1月に計画を正式に断念したのです。
これに困ったのが新宮町。
イオンモール出店を前提に都市計画を立てていた為、出店断念を受けて周辺に建設中だったマンション工事も一斉にストップした程、そのダメージは大きかったようです。
IKEAが新宮に進出するまで
イオン出店計画が消えて途方に暮れる新宮町。
しかし、それから半年後、暗闇の中に光が差すことになります。
なんとあの世界的な家具量販店IKEAが福岡に新規出店する予定で、その候補地の一つに新宮町が入っているというニュースが飛び込んできたのです。
報道を受け、新宮町はIKEAに必死にPR。
その結果、新宮町は見事に新規出店の場所に選ばれたのです。
これがIKEA九州初出店の瞬間（2024年現在もIKEAは九州にこの1店舗だけ）。
IKEAが新宮出店に魅力を感じた主なポイントがこちら↓
- 駅前に広大な敷地がある
- 利便性が良い
- 福岡市内から車でアクセスしやすい
こちらがIKEA福岡新宮周辺の地図↑
JR新宮中央駅から博多駅へは約25分。
近くに国道3号線が通っており、ここから九州自動車道古賀ICへは約5km、都市高速香椎東ICへは約6km。
更には駅前には1,000台もの駐車スペースを有する広大な敷地がありました。
これらの点がIKEAに大きく評価されることになったのです。
皮肉なことに、この土地はイオンモール出店に向けて確保していたものでした。
ビジネスはどこでどう転ぶか分からないものですね。
IKEAが進出して大成功の新宮町
前述の本にも記載されていたのですが、結果的に新宮町にとってはIKEAが出店したことが大きなターニングポイントとなりました。
理由はIKEAは九州にまだ一つしかないからです。
その為、休日ともなると福岡県内のみならず九州一円から多くの人が新宮町にやってきます。
実際にIKEA福岡新宮に行くと「大分」「佐賀」「熊本」等の県外ナンバーを多く目にします。
これらの現象はイオンモールだったら起こっていなかったでしょう。
イオンモールであれば、わざわざ新宮へ行く必要性がないからです。
IKEAブランドにより多くの人が新宮に買い物に来るばかりではなく、移り住むようにもなりました。
こちらはIKEA福岡新宮の様子↑
ご覧の通り、マンションが多く立ち並んでいます。
この周辺にマンションが多く建つことで新宮町の人口が急激に増加して発展へと繋がっているのです。
まとめ
IKEA福岡新宮が誕生するまでの経緯をまとめると下記の通りになります↓
当初はイオンモールができる予定だった
↓
リーマン・ショックでイオンモール出店計画が中止
↓
その土地が「利便性の良い」「広大な敷地」を探していたIKEAの目に止まる
↓
IKEAが2012年に新宮へ出店
↓
駅・IKEA周辺にマンションが立ち並び、新宮町が急発展することに
この話を聞いて、そもそもなぜそんな広大な敷地が新宮町にあったのかと思われる方もいるかもしれないので最後にその点についてもお伝えしておきます。
実は現在、IKEAがある周辺は昔は田んぼでした。
地図で言うと、JR新宮中央駅から国道3号線まで全て田んぼだったのです。
そこに新宮中央駅とIKEAができた後、カインズや飲食店、マンションなどが次々と建ったのです。
昔は田んぼで一部の人しか入ることができなかった場所に、今では多くの人が住み、週末ともなるとIKEA・カインズ目当てに遠方から訪れる人もいます。
ここまで劇的な土地活用・環境の変化は滅多にないことでしょう。
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