天與庵は、福岡市営地下鉄・祇園駅から徒歩5分ほどの場所にあるお寺。少し距離はあるが、博多駅からも歩いて行くことができる。
天與庵は「てんよあん」と呼ぶ。難しい漢字を含んでいるせいか、情報サイトによっては「天与庵」と記されることもある。
天與庵の雰囲気
天與庵は、承天寺の塔頭寺院。
塔頭(たっちゅう)寺院とは、祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔や庵などのことを言う。
天與庵は、その承天寺の北側に位置する。
承天寺は、古来中国とのつながりが深く、うどんやそばの発祥地としても有名だ。
天與庵が創建されたのは1299年と非常に歴史あるお寺。
その後、戦時中の博多大空襲で一度は消失するも1965年に再建され現在に至る。
天與庵の雰囲気
天與庵の山門は、承天寺通りに面する。
承天寺通りは綺麗に舗装されており、歩道も広く歩きやすい。
どの季節に行っても庭園は綺麗に整備されており、見ているだけで心が落ち着く。
そして、どこか京都っぽさがある。
毎回、天與庵に行く度に思うのだが、本当にここは穴場だと思う。
あまり人がいないのだ。例えば、庭を見ながらぼ〜っと10分くらい物思いにふけっていても誰もこないこともしばしば。
庭園を前に考え事、心を清めるのには絶好の場所かもしれない。
しかも、入場料などもいらない。
その天與庵のすぐ北側には202号線が通る。
まさに「静」と「動」が交差する場所だ。
天與庵へのアクセス
住所:〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1丁目29−14
天與庵の設計図
ここからは追記になります。
この記事をご覧になった関係者の方から天與庵の設計図を頂きました。
天與庵に行ったことがある方なら分かると思うのですが、設計図を基に忠実に造られていますね。
今でこそ落ち着いた雰囲気の御供所地区ですが、最初からそうだった訳ではありません。
実は戦後の混沌期に駅前区画整備の一環で承天寺の境内が分断されることになったのです(博多駅は1963年まで承天寺の近くにありました)。
画面左側・右側も承天寺です(左側に見える門は、天與庵の門)。
このように境内の中に道が通っているのは極めて稀なこと。
その為、この境内分断案が出た時は反対意見も多く、度々問題となっていました。
しかし、この天與庵竣工を機に承天寺、自治体などが団結。
現在の落ち着いた御供所地区があるのです。
そのような意味でも天與庵の存在は、この周辺地域にとって非常に大きなものなのです。
改めて設計図をご提供いただいた関係者の方、ありがとうございました。
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