2022年に開業した西九州新幹線ですが、今尚、多くの問題が山積みです。
最大の問題点は、佐賀に新幹線の線路がないこと。
それが故、西九州新幹線はわずか66km(長崎駅〜武雄温泉駅)の日本一短い走行距離なのです。
更には、佐賀を通ることができないので、九州新幹線と接続することもできません。
現状を地図で見るとこんな感じ↑
赤は西九州新幹線、青は九州新幹線。
ご覧の通り、佐賀県内に新幹線の線路が完成していない為、西九州新幹線は孤立した状態。
佐賀に新幹線の線路を作るとなると「佐賀が許可する」「佐賀が建設費の3分の1を負担する」必要があります。
佐賀がなぜ西九州新幹線の線路建設に反対しているのかは長くなるので、こちらの記事をご覧ください↓
かなり簡単にまとめると、新幹線の線路建設は佐賀にとってデメリットばかりなのです。
その為、佐賀は反対姿勢を貫いており、この状態を打開できない限り、50年経っても西九州新幹線は孤立した状態のままで九州新幹線に繋がることがありません。
ここで気になるのが、佐賀飛ばしという発想。
佐賀が反対するのであれば、佐賀以外のルートで九州新幹線と繋げれば良いのではないか?
ということで、今回は佐賀飛ばしのルートを色々と考えてみました。
結論から言うと、地図を見て数秒で佐賀飛ばしが不可能な案だと分かりました。
その理由を地図を使って解説していきます。
気になっていた方は参考にしてください。
【佐賀飛ばしは可能なのか?】ルートその1
こちらが佐賀飛ばしが不可能だとすぐに分かった理由↓
長崎は佐賀としか陸地で面していません。
その為、他県ルート、つまり佐賀飛ばしは不可能なのです。
情報を補足すると、現状の66km区間の最終駅は武雄温泉駅で、これは佐賀県内。
この武雄温泉駅からの延伸を考えた場合、その時点で、佐賀飛ばしは100%不可能な案なのです。
【佐賀飛ばしは可能なのか?】ルートその2
ただし、色々と模索した結果、一つだけ佐賀飛ばしが可能と思われるルートがありました。
あらかじめ言っておきます。
かなりぶっ飛んだ案になります。
オレンジ色の線は、私が考えた架空の新ルート。
この案では諫早駅から武雄温泉駅へ向かうのではなく、有明海を通って新大牟田駅(九州新幹線)へ向かいます。
つまり、有明海に海底トンネルを作るのです。
海は直線距離で約30km。
世界に目を向ければ、ドーバー海峡(イギリスとフランスの間)の下にある英仏海峡トンネルは50.45 km。
それを考えると100%不可能な案ではないかもしれません。
しかし、有明海の下に海底トンネルを作るとなると莫大な費用がかかります。
地質的に可能かどうか等も調査しないと分かりません。
かなりぶっ飛んだ案になってしまったわけですが、佐賀飛ばしとなると、本当にこれくらいしかルートがないのです。
佐賀ルート3案とは?
ちょっと非現実的になったので、現実的な話に戻りましょう。
現時点で西九州新幹線のルートは3案あります。
ルートの詳細は下記の通り↓
- 北回りルート(緑色) ・・・ 武雄温泉駅〜新鳥栖駅
- 佐賀駅ルート(ピンク色) ・・・ 武雄温泉駅〜佐賀駅〜新鳥栖駅
- 南回りルート(オレンジ色) ・・・ 武雄温泉駅〜佐賀空港〜筑後船小屋駅
現在、この3案を軸に佐賀ルートの協議を続けているようです。
しかし、佐賀県側としては「西九州新幹線を作るメリットがあまりない」「莫大な建設費を負担しなくてはならない」ので、今のままでは話がまとまる可能性は極めて低いと思われます。
まとめ
以上、西九州新幹線の佐賀飛ばしについてでした。
重要な点をまとめると下記の通りになります↓
- 佐賀飛ばしは、ほぼ不可能
- 長崎は、陸地で佐賀としか面していない
- 佐賀が許可を出さない限り、西九州新幹線は全線開通しない
ちなみに、国は西九州新幹線の全線開通を目指しており、既に国と佐賀との間では何度も協議が行われています。
今後、建設費の負担軽減策などがあるか否か、つまり佐賀県にとってメリットのある提案があるかどうかが焦点になりそうです。
佐賀が西九州新幹線に反対する理由
佐賀が西九州新幹線に反対する理由は、こちらの記事をご覧ください↓