先日、親戚の家の小屋を掃除をしていたら懐かしいものが出てきた。
それは、福岡市営地下鉄開通時の新聞だ。
今回出てきたのは昭和56年7月25日&26日の讀賣新聞。
記事によると福岡市営地下鉄は7月25日に開通式、7月26日に開業を行ったそうだ。
当時の記事を読んでいると驚くことも多々ある。
今回はその点を中心にお伝えしていきたい。
開業時は天神〜室見のみ
こちらは昭和56年7月25日(福岡市営地下鉄開通式)の新聞。
今回、記事を見て初めて知ったのだが福岡市営地下鉄は開業時は「天神〜室見」しか運行していなかったようだ。
天神〜室見を結ぶ線を記事では以下のように書いている。
福岡市の都心と西の副都心を11分で結ぶ5.8キロ。九州で初めてのメトロ(地下鉄)は、福岡都市圏の足元を明るい光で照らした。
技術は日々進化するもの。
気になったので2019年現在の「天神〜室見」の所要時間を調べたところ、1981年(昭和56年)当時と変わらず11分だった。
38年の歳月を経ても同じ時間ということは、当時の技術がかなり高度なものだったと言えるだろう。
因みに、日本で地下鉄が導入されたのは東京、大阪、横浜、名古屋、札幌、神戸、京都に続いて福岡が8番目の都市だったようだ。
昭和56年の福岡の風景
一面には天神の街並みと共に「メトロ都市 福岡」の文字が。
記事には「くらやみに太陽が降りてくる日」と記されている。どこか文学的な表現のようにも聞こえる。
写真を見ると、昭和56年の天神にはレトロな車が走っており、歩く人の服装も今とは少し違う。
しかし、そこには今と変わらず数多くの西鉄バスが所狭しと街を行き交う様子も写し出されている。
また、19年3月に閉館となった福ビルもしっかりと写っている。
そのような写真をあえて選んでいるのだろうが、街行く人は皆どこか楽しそうで、福岡の街も活気に満ちているように思える。
地下鉄の乗り方&運賃表
数年前にニュースで見たのだが、今でも日本のある県では一番大きな駅でも自動改札機が導入されておらず、駅員さんが切符を切っているそうだ。
それを考えると、今から38年も前に既に自動改札機が存在した福岡はかなり都会だったと言えるだろう。
天神〜室見の運賃は150円だったようだ(現在は260円)。
その他、新聞には地下鉄が走ることになる全駅の街情報を地図を交えて解説していた。
その当時のことは知らないが、新聞を読むだけで福岡に地下鉄が走ることの熱気が十分に伝わってきた。
地下鉄開通記念ショッピングバッグ
特製ショッピングバッグには、地下鉄の写真と「祝 地下鉄開通」の文字が。
岩田屋は地下鉄開通に伴い、新館地下2階が地下鉄と直結したことで多くのお客さんを見込めた。
それにしても1万人分もバッグを用意するとは、地下鉄開通がどれだけ大きなイベントだったかが伺える。