先日、初めて熊本にある湯らっくすという温泉に行ってきました。
湯らっくすは、あることで有名。
それはサウナと水風呂。
湯らっくすのサウナは、サウナー(サウナ愛好家)たちの間では「西の聖地」とも呼ばれています。
水風呂は、水深が171cmと日本一深く、おまけにMAD MAX(マッドマックス)という天井から大量にかけ流される水まであります。
今回は、その「サウナ→水風呂」の一連の流れの体験談をお伝えします。
あらかじめ言っておくと、それは想像以上のものでした。
「ヤバい」の一言に限ります。
これほど壮絶なサウナと水風呂を味わえるのは、ここ以外ないでしょう。
これから湯らっくすに行く方は、参考にしてください。
注意事項、心構えも併せてお伝えします。
くどいようですが、本当に「ヤバい」ので注意してください。
「ヤバい」の解釈は、読者の方にお任せします。
湯らっくすのサウナ「アウフグースサウナ」
湯らっくすのサウナには3種類あります。
それは
- 備長炭蒸し風呂
- メディテーションサウナ
- アウフグースサウナ
備長炭蒸し風呂とは、ミストサウナのこと。
メディテーションサウナとは、その名の通り、「瞑想」をコンセプトにしたサウナ。
リラックスできるアロマの香りとともに、室内は暗く、少し異質な空間になっています。
今回、特にお伝えしたいのがアウフグースサウナ。
アウフグースとは、下記の時間帯に1時間おきに行われる熱波サウナのこと。
これが、マジでヤバいんです。
熱波師と呼ばれる職人さんが、タオルを振りかざし、室内に熱波を送ります。
ここからが、そのアウフグースサウナの体験談。
体を洗い終えたちょうどその時、20時のアウフグースタイムでした。
おもむろにサウナ室に入ると、室内は下記のような感じに。
僕が座ったのは、3段目のサウナストーブ寄りの席(上図赤丸部分)。
熱波師は、色々と準備を進め、熱波が始まったのは20時02分のこと。
その頃には、ご覧のようにサウナ室は満員状態。
1段10人で、合計30人ほどいたでしょうか。
熱波を受けようと集まった人達で一杯でした。
因みに、上図に示されているのは単なる丸印ですが、そのほとんどは中年のおじさん達。
40代〜50代のおじさん達が、裸で席を詰め合うわけだから、熱波が始まる前にサウナ室は異様な雰囲気でした。
まず、熱波師が言ったことは、サウナストーブに近い方、3段目の方は暑くなるのでお気をつけくださいということでした。
「ヤバい! 全ての条件を満たしている!」
しかし、時既に遅し。
熱波師は、サウナストーブにアロマ(この日はラベンダー)を入れ始めます。
その瞬間、ジュ〜という音と共に、室内はラベンダーの香りが充満。
そして、急に室内が暑くなりました。
その後、その蒸気を基に熱波が始まります。
熱波とは、熱波師がタオルのようなものを室内に何度も振りかざし行うもの。
もちろん、空気をかき混ぜればかき混ぜるほど、室内は暑くなります。
これが、本当にヤバい!
徐々に「暑い」から「熱い」へ。
その熱さを表現するならば、炎天下のアスファルトの上のような熱さ。
ジリジリとした本当にやばい熱さです。
この辺から、周りに異変が。
周囲のおじさん達が次々と声を出し始めるのです。
おじさんA「熱い。熱い。熱い」
おじさんB「ア〜ア〜ア〜」
おじさんC「スーッ、ちょっ、スーッ、スーッ、ちょっ」
おじさんD「ヤバい。ヤバい。ヤバい。ヤバい×10」
おじさんE「+?%&O#|””*」
これは面白おかしく言っているわけではなく、本当にこういう状態でした。
室内の至る所から、おじさん達のうめき声が聞こえて来ました。
熱波が始まってまだ2分も経っていない状態でです。
僕はというと、自らの体の異変に気付いてきました。
あまりの熱さで、頭がクラクラしてきたのです。
わかりやすく言うと、少し気分が悪くなってきました。
しかし、3段目。
満員で外に出にくい状態。
それが、更なるプレッシャーになり、頭のクラクラは加速する一方。
”マジでヤバい・・・。外に出た方が良いかも・・・。”
頭の中で何度もそう思いました。
室内を熱波で充満させた後は、熱波師が一人一人の前に行き、個別で熱波を送りはじめます。
その最中、一人目の離脱者が。
それは、サウナストーブから一番離れた1段目のおじさんでした。
一番、熱波を受けにくい場所の人です。
その瞬間、サウナ室にいた人全員が「お前かよ!」と心の中で叫んだのは言うまでもありません。
最初の脱落者が出たのが、熱波が始まって3分ほどしたところでしょうか。
その後、次々と脱落者が出てきます。
「熱い熱い熱い」
そう言いながら、おじさん達が次々とサウナの外へ。
僕はと言うと、本当はいけないんでしょうが、気分が悪くなりながらも最後まで粘りました。
最後までやり抜くと、その先に今まで感じたことがない何かが待っていそうな気がしたからです。
体からは、尋常ではない量の汗が流れ続けます。
普通のサウナとは、全くもってレベル、というか次元が違いました。
結局、アウフグースの時間は合計5分ほど。
実際の時間よりも長く感じたのは言うまでもありません。
アウフグースが終わる頃、サウナ室に残っていたのは10人ほどでした。
最初いたのが30人ほどだったので、最後まで残ったのは、わずか3分の1ということになります。
その数字が、アウフグースの過激さを表しています。
湯らっくすの水風呂「MAD MAX」
体の芯まで熱くなった僕は、水風呂へ。
そこで地獄絵図を目にしてしまいます
アウフグースで熱くなりすぎたおじさん達が水風呂に、列をなして駆け込んでいたのです。
ここで、湯らっくすの水風呂の紹介を。
湯らっくすの水風呂は、他とは全く違います。
なんと最も深い場所の水深は171cm。
自分は、171cm以上あるから大丈夫。
そう思う人もいるかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。
頭のてっぺんが171cmと言うことは、そのまま地に足をつけて立つと鼻が水の下になってしまいます。
そう、足をつけることができないのです。
この水の中で足がつかないというのは、想像以上に恐怖を感じます。
更に、それに追い打ちをかけるのがMAD MAX(マッドマックス)↓
このボタンを押すと、天井から大量の水が頭上にかけ流されてくるのです。
この刺激は、たまりません。
ここでサウナから出た時に話を戻します。
アウフグースで熱々の体の私は、おじさん達の列に並んで水風呂へ。
水風呂に入った瞬間の感想は「!?」。
なんと水風呂なのに全然冷たくないのです。
と言うか、ぬるい。
後でわかったことですが、これは湯らっくすの水風呂の温度が高いというわけではありませんでした。
水風呂をぬるく感じるほど、サウナで体が芯から熱くなっていたのです。
僕はサウナが好きで、今までいろんなサウナに行きましたが、こんな体験は初めてでした。
そして、そのままMAD MAXボタンを押すことに。
その瞬間、天井から大量の水が脳天を直撃します。
これがなんとも言えない快感。
水風呂を出て、少しフラフラした状態の僕は、しばらく椅子に座ってぼ〜っとしていました。
それは本当に”無”の状態でした。
そこには悩み事や考え事はありませんでした。
ただ単に、目の前にある壁あたりをボ〜と見て座っているだけ。
それは10分ほどした時でしょうか。
徐々に意識、というか感情が戻ってきました。
その時、これまで感じたことがない経験をします。
頭の中が、スッキリとしていたんです。
少し頭が軽くなった錯覚さえ覚えました。
「これが西の聖地と言われる所以か」。
それは、いろんな流れを踏まえての僕なりの解釈でした。
湯らっくすの注意事項
その後といえば、体調を取り戻し、お風呂、メディテーションサウナ、備長炭蒸し風呂、そしてMAD MAXを何度か楽しみました。
しかし、この日、僕が再度、アウフグースサウナを試すことはありませんでした。
理由は、車で来ていたので帰りが危険だと思ったからです。
運転中に、頭がクラクラ。そうでなくとも、無の状態が来たらシャレになりませんから。
因みに、帰る際、しばらくの間は外の気温が3度だったのに、車の窓を開けたままの状態でした。
理由は2つあります。
一つ目は、窓を閉めるとすぐにガラスが曇ること。
二つ目は、窓を開けていた方が涼しかったから。
それほど、アウフグースサウナで体の芯まで熱がこもっていたのです。
ここで、これからアウフグースサウナに行こうという人へ注意事項を。
いくらサウナに慣れている方でも、本当にアウフグースサウナは注意した方が良いと思います。
特に、最初は3段目&サウナストーブの近くは避けた方が良いでしょう。
一番熱くなるところですから。
できれば1段目が良いと思います。
万が一、気分が悪くなってもすぐに外へ行けるので。
かくいう今の僕はというと、また今度、湯らっくすへ行こうかと思っています。
あれだけ熱い・苦しいと思ったアウフグースサウナですが、どうやら中毒性があるようです。
なんだか、ジャンルは違えど、ラーメン二郎に少し似ている気がします。
終わった後の達成感が半端ないんです。
日が経って振り返ると、またあの刺激を求めている自分がいました。
因みに、湯らっくすに行った翌朝、久々に自然に目を覚ますことができました。
もしかしたら、湯らっくすには見た感じのパフォーマンス以外に、心・体をリラックスさせる要素があるのかもしれません。
以上、サウナ「西の聖地」と呼ばれる、湯らっくすの体験レポートでした。
ドラマ「サ道」で湯らっくす
湯らっくすは、サウナをテーマにしたドラマ「サ道
原田泰造演じる主人公ナカタアツロウは、サウナで整わなくなったのを機に、サウナ西の聖地と呼ばれる湯らっくすへと向かいます。
このドラマでは、湯らっくすの内観や施設をよく見ることができます。
湯らっくすに行く前に「サ道」を見ておくと、より一層楽しめることでしょう。
今ならAmazonプライムビデオで、全話(12話)視聴できます。