熊は海を泳いで渡ることができるのか?
もし熊が長い距離を泳げるのであれば「ヒグマが本州へ上陸」「絶滅したはずの九州に熊が再来」という恐怖のシナリオが出来上がってしまいます。
今回は熊が泳ぐ動画の他、過去に確認された熊の長距離移動についてもお伝えします。
気になっていた方は参考にしてください。
熊の基本情報&海を泳ぎ切るとヤバイ理由
まずは日本の熊の基本情報からお伝えします。
こちらは日本の熊MAP↑
要点をまとめると
- ヒグマは北海道だけに生息
- ツキノワグマは本州・四国に生息
- 九州に熊はいない
ということになります。
ちなみに、同じ熊でもヒグマとツキノワグマにはかなりの体格差があります↓
身長 | 体重 | |
ヒグマ | 220〜230cm | 150〜250kg |
ツキノワグマ | 110〜150cm | 80〜120kg |
データ参照:環境省
ご覧の通り、ヒグマは身長・体格共にツキノワグマの2倍近くあります。
このヒグマが海を渡って北海道から本州へ渡って来ると思うとゾッとします。
津軽海峡の最短距離は20km。
この距離をヒグマは泳ぐことができるのでしょうか?
上の写真は本州と九州の間にある関門海峡↑
赤い線の部分は関門海峡の最短距離で約630mしかありません。
津軽海峡の20kmに比べると、海を渡り切るハードルは一気に低くなります。
過去にこの関門海峡を泳いで渡り切った熊はいるのでしょうか?
各々の海峡情報に関しては後ほど詳しく解説していきます。
熊が泳ぐ動画
そもそも熊は海を泳げるのか?
色々と調べると実に興味深い映像を見つけました。
これは2020年に北海道根室市で撮影されたもの↑
体調2mほどのヒグマがかなり速いスピードで海を泳いでいます。
同じく根室市で撮影されたもの↑
体調1mほどの子熊も普通に泳いでいます。
こちらは知床で撮影されたヒグマ↑
海中から陸へ難なく上がっているのが分かります。
福島県桧原湖で泳ぐツキノワグマ↑
以上のことから、熊も人間同様に水中を泳げることが確認できました。
特に最初の動画の熊はかなり速いスピードで泳いでおり、恐怖を感じます。
熊は海を泳いで渡れるのか?【津軽海峡】
次に気になるのが、熊はどのくらいの距離を泳げるのか?ということ。
こちらの動画(0:45〜)によると、2018年にヒグマが道北の利尻島へ泳いで渡ったのが確認されたとのこと。
地図の赤丸部分が利尻島↑
北海道内地からは約18kmも離れています。
このことから専門家はヒグマは18km程泳げるのではないかと言及。
津軽海峡の最短距離は20km。
距離的にはヒグマが泳ぎ切っても何らおかしくはありません。
あの巨大なヒグマが泳いで本州に上陸したらと思うと、かなりの恐怖。
しかし、調べれば調べるほどその可能性は低いようです。
万が一、ヒグマが津軽海峡を泳ぎ切ったとしても生存するのは難しいんだとか。
その詳細がこちら↓
- 潮の流れや風の向きを考慮すると、ヒグマが津軽海峡を渡るのは難しい
- 津軽海峡の間にはラキストンライン(生物学的な境界線)がある
- 万が一渡りきったとしても、本州は暖かいのでヒグマの生息には合っていない
※データ参照:北海道文化放送
その昔、ヒグマは本州にもいたようですが環境に適応できずに絶滅した過去があります。
また、ヒグマ一匹が津軽海峡を渡り切ったとしても、ツキノワグマとは種レベルで違うので繁殖できる可能性は極めて低いとのこと。
よって、津軽海峡の波の高さや今までの歴史を考えると、本州の人はヒグマを心配する必要はないでしょう。
熊は海を泳いで渡れるのか?【関門海峡】
続いては関門海峡について。
現在、九州の熊は絶滅しているというのが定説。
しかし、関門海峡を隔てた山口県には今も熊が生息しています。
赤枠部分は熊が出没したとされる場所。
そのほとんどが山口県東部ですが、西部にもちらほらと目撃情報が。
直近では2023年10月に下関市の山中で熊のような動物を目撃したとの情報もあります。
そうなると、九州民にとって怖いのが、熊が関門海峡を渡って九州へ上陸すること。
関門海峡は一番短い場所で600m程しか離れていません。
過去にこの関門海峡を渡って九州へ上陸した熊は確認されていないようです。
しかし、時間帯によっては関門海峡の波は穏やかなので、熊が海を泳いで渡りきる可能性はゼロではないでしょう。
また、泳がずとも関門橋(高速道路)を渡って九州へという可能性もあります。
九州で最後に野生の熊が確認されたのは1957年とされており、それ以来、九州で熊の目撃情報はありません。
しかし、上の写真を見るとわかる通り、本州と九州は非常に近いです。
熊が九州に上陸する可能性は低いとは思いますが、九州の人は熊が生息する本州とは600mしか離れていないということを意識しておいた方が良いかもしれません(特に北九州にお住いの方)。
尚、以前は九州にも野生の熊がいたのですが、都市開発や食料の影響から、熊が生息するのには難しいエリアとなり絶滅に至りました。
熊が九州で生息できない理由が気になる方はこちらの記事もご覧ください↓
まとめ
重要な点をまとめると下記の通りになります↓
- 熊は海を泳げる。過去に18km近く泳いだ例も。
- 津軽海峡は波が荒く、最短距離でも20kmあるので泳いで渡るのは困難
- 関門海峡の最短距離は630mしかない
津軽海峡は波が荒くて20kmもあるので、熊が泳ぎ切るのは難しいでしょう。
現実的に考えて怖いのが関門海峡。
私自身、関門海峡には何度も行ったことがあるのですが、対岸の建物だけではなく、歩く人や走る車が見えるくらいに近い距離です。
更には泳ぎ切った場所には小さいながらも山があります。
九州で60年以上も野生の熊が目撃されてないということは、関門海峡を泳ぎ切る熊がいなかったということ。
しかし、昨今の尋常ではないペースでの全国各地での熊の目撃情報を見る限り、今までなかったことが今後起こる可能性だってあります。
それが熊の九州上陸にならないことを一九州民として願うばかりです。