1993年にオープンした福岡ドーム(PayPayドーム)。
国内2番目のドーム球場として注目された福岡ドームですが、オープン当初”あること”で更に注目を集めました。
それは日本初の開閉式ドームであること。
既にご存知の方も多いと思いますが、福岡ドームの屋根は開くんです。
がしかし、福岡ドームの屋根が開くのは年に2回ほど。
なぜ福岡ドームの屋根が開く頻度はそんなに少ないのでしょうか?
今回はその謎に迫ります。
Contents
【福岡ドームの屋根】基本情報
まずは福岡ドームの屋根の基本情報から。
福岡ドームの屋根は3枚の巨大パネルからなります。
屋根が全て開ききるまでにかかる時間は20分。
福岡ドームの屋根開閉案は、福岡ダイエーホークスのオーナーだった中内正氏によるもの。
同じ球場でも「開」「閉」で雰囲気が異なるのは面白いだろうということで採用されました。
【福岡ドームの屋根】開かない3つの理由
2012年4月26日に行われた福岡ソフトバンクホークス対西武ライオンズ戦で福岡ドームの屋根が開かれたのですが、実にこれは4年ぶりのことでした。
それ以後、年に2回、福岡ドームの屋根は開いているのですが、毎年本拠地での試合数が約60試合であることを考えると、それはかなり少ない数字です。
なぜ、そんなに屋根は開かないのか?
大きく分けて理由は3つあります。
それは
- 費用
- 光
- 騒音
です。
それぞれ順に説明していきます。
【福岡ドームの屋根】費用の問題
まずは費用の問題から。
いきなりですが、福岡ドームの一回の開閉にどのくらい費用がかかるか知っていますか?
答えは100万円。
これは、たった1回の開閉にかかる費用です。
2021シーズン、福岡ソフトバンクホークスが福岡ドームで試合をしたのは63試合。
極端な話、その半分で屋根を開けたとしても3000万円はかかってしまう計算になります。
屋根を開ければ開けるだけ、出費がかさむことに。
前述の通り、最近は年に2回屋根が開いているのですが、費用の面を考えるとこれくらいがちょうどいいかもしれませんね。
開けすぎると、費用がかさむどころか、ドーム球場である意義についても考えさせられますから・・・。
【福岡ドームの屋根】光の問題
次に来るのが光の問題。
季節によって太陽の高さは異なってきます。
福岡ドームの場合、10月に一番最適な入射角となるように計算されて作られています。
ここで問題が発生。
10月はいいのですが、それ以外の季節、例えば夏などは光が眩しくなるのです。
実際に以前、選手たちから光が眩しくプレーの妨げになるとクレームがきたこともあったそうです。
そう考えると、晴れてればいつでも屋根を開けていいという話でもなさそうです。
【福岡ドームの屋根】騒音問題
最後に説明するのが騒音問題。
屋根を開くと、それだけ外に音がするわけですが、福岡ドームは場所的にそう大きな音を立てられないんです。
こちらは福岡ドーム周辺の地図↑
航空写真↑
地図を見たらわかる通り、福岡ドーム周辺には
- 病院
- 学校
- マンション
- ショッピングモール
- オフィスビル
などがあります。
特に病院に関しては、福岡ドームから目と鼻の先。
毎試合毎試合、福岡ドームから大きな音がしたら大問題となるでしょう。
【福岡ドームの屋根】まとめ
以上の理由から、福岡ドームは日本初の開閉式ドームであるにも関わらず、屋根を頻繁に開けることができないのです。
費用・光・騒音問題を考えたら、屋根を開かないのが無難ですね。
がしかし、中内正氏のアイデア通り、屋根の「開」「閉」で同じ球場でも雰囲気は異なってきます。
たまに「開」になる分にはファン、選手、そして近隣に住む人達も非日常的な気分になれて良いのではないでしょうか?
そう考えると、年2回のルーフオープンデーは丁度いい頻度かもしれませんね。
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