私は以前、東京に10年程住んでいた。
今回はその上京当時を振り返り、「福岡から上京して驚いたことベスト10」を発表したい。
自分で言うのもなんだが、他とは違う独自性のある項目をあえて選んでみた。
これから上京する方や福岡を客観的に見たい方は参考にして下さい。
Contents
10位 ニュース番組が続く
地味なことかもしれない。
だが、上京当時の私にとってこれは衝撃だった。
福岡で夕方のニュース番組を見ていると午後6時台に急に全国放送から福岡のローカル放送へ切り替わるタイミングがある。
しかし、東京の場合、切り替わることなく番組が最後まで続くのだ。
東京の人からしたら、これは普通のことからもしれない。
しかし、福岡から上京した私にとっては驚きだった。
おそらく、他の地方から上京した人も最初はこれに違和感を覚えたことだろう。
9位 暗くなるのが早い
太陽は東から西へ移動する。
よって、東京は福岡よりも明るくなるのも暗くなるのも早い。
知ってはいたことだが、実際に体感するとそれは衝撃だった。
冬になると東京では夕方4時台に真っ暗になる。
これは陽が長い九州出身者からしたら違和感でしかなかった。
だが、そこは東京。
暗くなるのは早いが、その分、夜景が綺麗だ(特にイルミネーションの時期は)。
よって驚きがあったものの、ストレスになることはなかった。
8位 言葉
東京は標準語だ。
福岡県民からしたら驚くかもしれないが、東京では男でも「〜だよね」「〜じゃない?」等、普通に言っている。
男である私は上京当初、何度もこの標準語に悩まされた。
なんとなくだが、初めて「〜だよね?」と言った時の感情を覚えている。
それはどことなく、アイデンティティーを失った瞬間のような気がした。
ここで少し笑える話を。
それは横浜の友人と食事をしていた際の話。
帰りが遅くなりそうだったので実家通学だった友人は、母にその旨を携帯電話で伝えた。
そのやりとりを聞き、私は違和感しか感じなかった。
それは友人が電話を終えた時に私が発したコメントで分かる。
「お母さんと話す時も標準語なの?」
驚いた友人の顔を今でも忘れない。
地方出身者にとって東京で会った人と話す時は標準語でも、家族や地元の友人と話す際は急に方言に戻るもの。
それがない友人、常にどこでも誰とでも標準語を話している友人には驚いてしまった。
7位 建物が高い
東京はとにかく建物が高い。
東京スカイツリーは643メートル、東京タワーは333メートル、東京都庁は243メートルとどれも超高層だ。
既にご存知の方も多いと思うが、福岡は都心部が福岡空港に近いことから条例で建物には高さ制限がある(最近は高さ制限が緩くなったが……)。
上京当時はとにかくビルの高さに驚くばかりだった。
あそこまでの高層ビルが密集した様子は福岡ではまず見られなかったからだ。
よく用もなく、その雰囲気を見たくては新宿副都心まで行ってブラブラしたものだ。
慣れと言うものは怖いもので、その高層ビルになれた後、福岡に戻ってくると逆に建物が低く見えて驚いたものだ。
6位 異臭
東京に行ったことがある人ならば、異臭を感じたことがあることだろう。
渋谷、新宿、六本木など人が集まるスポットには、時として鼻を突くような強烈な匂いがする場所がある。
どれだけかと言うと、一瞬「うぇっ!」と思うほどだ。
福岡市内のほとんどの場所は歩いたことがある私。
しかし、あのような異臭を感じる場所はない(時々、博多駅筑紫口周辺でそれに似た匂いを感じることはあるが……)。
以前、あるテレビ番組で地方から上京したタレントが、東京に来てから鼻毛が伸びるのが早くなったと言っていた。
おそらく人間は本能的に異質なものを感じると体を守る作用が出るのだろう。
あの異臭がなくなれば、東京はもっと印象が良い街になると思う。
東京オリンピック2020で多くの来日外国人が、あの異臭で眉をしかめないことを願うばかりだ。
5位 地震が多い
福岡に比べて東京はとにかく地震が多い。
福岡も熊本地震を機に何度か揺れることが多くなったと思うのだが、東京の地震はその比ではない。
私の記憶では上京するまで福岡で過ごした18年間、地震を感じたのはたったの1回(しかも小さな揺れだった)。
それは深夜1時くらいで、ものすごく恐怖を感じたものだ。
しかし、上京するとそれと同じくらいの揺れが頻繁にあるのだ。
あくまでも私の体感だが、1ヶ月に2〜3回は普通に地震の揺れを感じていたように思う。
不思議なもので、そうなると人は地震に慣れるものだ。
初めは怖かったものの、徐々に”また地震か”とビビらない自分がいた。
だが、いつまた巨大地震が来るか分からないと言われている東京。
これから上京する人は、地震の際にどう行動すべきか一度シミュレーションをしておくと良いだろう。
4位 バスが前払い
これも上京当初は結構な衝撃だった。
福岡でバスに乗る場合、そのほとんどが後ろのドアから乗る。そして、行き先に応じて運賃が変わるものだ。
しかし、東京の場合、都心部では前のドアから乗車する。
そう、前払い制なのだ。
極端な話、始発から終点まで行こうと同じ値段になる。
これは今のようにICカードが普及していなかった当時、本当に便利だった。
初めて行く場所でも、運賃がいくらに上がるか気にする必要がないからだ。
個人的には、いつか福岡も東京のように前払い制になってほしいと思っている。
そうすればきっと他県・海外から来る観光客も今以上にバスを利用しやすいはずだ。
3位 背が高い
福岡から東京に行くと、多くの人が周りの人の背の高さに驚かされることだろう。
私は身長が178cmある。
この身長は福岡では十分だ。
祭りなど人が多く集まる場所へ行っても、特に前が見えない等で困ることはない。
しかし、東京に行ってそれは変わった。
身長が高い人が多いのだ。
180cm以上の人が結構ゴロゴロいる。
よって、人が密集する場所で、前が見えないことが多々あった。
気になったので身長に関するデータを調べて見たところ、17歳男子の統計になるのだが、福岡県は169.3cmで全国46位だった。
色んな街(47都道府県行ったことがる)を歩いてみて、福岡県民が他の都道府県よりも少し身長が低いことは前々から感じていたこと。
その理由は未だに謎である。
2位 食文化
上京してからは、とにかく食文化で衝撃を受けることがあった。
独自の食文化を持つ福岡出身者にとって、毎日が驚きの連続だった。
語ったらきりがないため、今回は特に印象に残った2つをお伝えしたい。
まず一つ目がラーメン文化だ。
福岡にあるラーメン屋さんは、そのほとんどが豚骨ラーメン。
そのため、「ラーメン=豚骨ラーメン」、ラーメン屋に行くと替え玉をするのが常識だった。
しかし、上京してそのラーメン環境は大きく変わる。
味噌ラーメン、塩ラーメン、醤油ラーメン等、ラーメンの種類が豊富なのだ。その他、地方ラーメン専門店まである。
おそらく、東京は世界で一番ラーメンの種類が多い場所だと思う。
ラーメンが本当に好きで、その道に進みたい人は、一度、東京で生活した方が良いだろう。
そして、福岡出身者が故にラーメン屋で恥ずかしい思いをしたことがある。
替え玉は福岡独自のラーメン文化。
それ知らず、全国全てのラーメンにも替え玉があると思っていた私は、初めて味噌ラーメン屋さんに行った時、普通に替え玉を注文してしまった。
もちろん、味噌ラーメンに替え玉はなく、店員さんはそれを聞き、呆然とした表情だった。
後に、同じく上京した福岡出身者に聞いてみたところ、私のように替え玉を注文できないラーメン屋で替え玉を注文したことがある人は結構な割合でいた。
食文化で驚いたこと2つ目は地域限定の商品。
その中でも特に、ブラックモンブランが全国区ではなく九州限定のアイスだったと知った時は衝撃だった。
それ以降、帰福する度に、頭が痛くなるほどブラックモンブランを食べて東京へ戻ったものだ。
私は結構な確率でブラックモンブランの当たりバーが出る。
おそらくは、あの時の様子をアイスの神様が見ていたのだと今でも信じている。
1位 芸能人が多い
東京は、とにかく芸能人が多い。
普通にカフェで横に某有名歌手がお茶していたことなどもあった。
以前、東京で今まで見た芸能人を思い出して書き出したところ、その数は100人を超えていた。
それはアイドル、スポーツ選手、芸人などジャンルも様々。
具体的に言うと、広末涼子、佐々木希、山本未来、クリスタル・ケイ、細木数子などを見ることができた。
今回は、その中でも特に印象深かった芸能人ベスト3を発表して締めくくりたい。
3位 クォン・サンウ
一時期、日本でもかなりの人気があった韓流スタークォン・サンウ。
私は特に韓流にはハマらなかったのだが、クォン・サンウを見た時の状況がすごかったので、すごく印象に残っている。
あれは確か2007年の夏だったと思う。
その日、私は自転車で世田谷区にある三宿という場所を通っていた。
しかし、いつもと雰囲気が違うのだ。
三宿と言う場所は落ち着いた住宅街なのだが、この日がすごい人だかりだった。
そして、その人だかりの中にはクォン・サンウがいた。
当然のことながら、おばさんたちが生のクォン・サンウを近くで見ようともみ合いになっていた。
あとで知るのだが、それは24時間テレビ?かなにかの企画だったらしい。
この時、クォン・サンウどうこうと言うより、韓流ブームの凄さ、そしておば様たちのエネルギーに圧倒されたものだ。
2位 ラモス瑠偉
私は一時期、乃木坂にあるグラウンドでサッカーをしていたことがあった。
そのグラウンドは不思議なもので、1人、2人と知らない人が次々とやってきては急造チームを作ってサッカーをしていた。
そして、サッカーが終わると1人、2人と去っていくというちょっと変わった場所だった。
そんなある日、そのグラウンドに超大物の元プロサッカー選手がやってきたのだ。
それは、ラモス瑠偉。
ジャージ姿でふらっとやってきたラモスは、「俺も入れてくれよ」と言うと皆と普通にサッカーを始めたのだ。
現役を引退してから10年は経っていただろうか。
だが、そのスキルはさすがと思わせるものだった。
アマチュアとは明らかにボールのタッチが違ったのだ。
30分ほどプレーした後、「また!」と言って、ラモスは立ち去って行った。
現役時代のラモス瑠偉を知っている人からすれば、それは夢のような時間だった。
あの時の感動は今でも覚えているし、今後も忘れることはないだろう。
1位 イチロー
それは一瞬の出来事だった。
渋谷区にある人通りが少ない坂を降りていた時、横道に止まった車から雑居ビルへ人が小走りで入って行った。
時間にして2〜3秒だったと思う。
しかし、あまりのオーラで、その限られた時間で誰であるかすぐに分かった。
それはイチローだった。
イチローは当時、MLBシアトル・マリナーズに在籍し、200本以上の安打記録が続いていた時だった。
まさに選手として絶頂の頃。
今まで100人以上の芸能人、著名人を見てきたが、イチローのオーラが一番すごかった。
あまりの凄さに、しばらくその場に立ち尽くした程だ。
たった2〜3秒姿を見ただけでこれだけの衝撃を受けたのだから、実際にイチローと握手したり、話したりした人の感動は計り知れないものだと思う。
そのイチローは、2019年の春に45歳で現役を引退した。
おそらくはその実力、オーラから今まで数え切れない程の人に元気を与えてきたことだろう。
以上、最後の方はちょっと雰囲気が変わりましたが、「福岡から上京して驚いたことベスト10」でした。
近日、「東京から福岡に帰ってきて驚いたことベスト10」も公開予定です。
そちらもお楽しみに!
長文となりましたが、ここまで読んで下さり、ありがとうございました。