最近、全国各地で熊による被害が多発しています。
それは例えば
- 登山中に襲われた
- 民家に侵入してきた
- 田畑を荒らされた
などです。
目撃情報だけで済めばまだ良いのですが、熊から攻撃される可能性もあります。
実際、熊に襲われて命を落とした人もいます。
テレビニュースで取り上げられる熊による被害情報は北海道や東北が中心ですが、福岡にも熊はいるのでしょうか?
その点が気になっている福岡県民は多いと思います。
今回は九州の熊情報の他、海を隔てたお隣の山口県の熊情報もお伝えしていきます。
Contents
福岡に熊は出没するのか?
結論から言うと、九州の熊は既に絶滅しているので福岡に熊はいないと言うのが定説。
ごく稀に福岡県内で熊のような生き物を見たという目撃情報があるのですが、これらは勘違いである可能性が高いとされています。
例えば、2015年10月17~19日に福岡と佐賀の県境にある脊振山の登山道で「熊のような動物を見た」という目撃情報が県警に寄せられたのですが、後日、現場周辺で採取された動物の糞を分析したところ、ニホンアナグマのものであることが判明しました。
ニホンアナグマは名称に「クマ」と付いてますが、イタチ科の動物。
秋から冬にかけて栄養分を体にたくさん蓄えて大きな体型になるため、その様が熊と似ていて間違えられた可能性が高いとされています。
このように福岡を始め九州各地では時折、熊と思しき動物の目撃情報が上がるものの、九州では1957年を最後に野生の熊は見つかっていません。
かれこれ60年以上、九州では熊が目撃されていないので絶滅したというのが定説です。
九州は熊のエネルギー源であるどんぐりの実がなるブナやナラの木が他の地域に比べて少ないのが特徴。
また、都市開発により山と山が孤立しているので、熊の生息には適さない地域とされています。
九州から熊が絶滅した理由が気になる方はこちらの記事をご覧ください↓
そのメカニズムを詳しく解説しています。
山口県の熊情報
現実的に考えた場合、福岡県民は海を隔てたお隣山口県の熊情報を気にかけておいた方が良いかもしれません。
というのも、山口県には今も熊が生息しているとされ、2020年度には366件ものツキノワグマの目撃情報が寄せられています。
こちらは山口県(下関市)から見た福岡県(北九州市)の様子↑
ご覧の通り、関門海峡の狭い場所は630メートルほどしか離れていません。
熊は泳ぐこともできます。
こちらは福島県で記録されたツキノワグマが泳ぐ映像↑
こちらはヒグマ(北海道に生息)が泳ぐ映像↑
ヒグマは過去に19km(北海道内地〜利尻島)泳いだという記録まであります。
九州と本州はかなり近いです。
関門海峡は波が穏やかな時間帯もあるので、熊が泳げることを考えると九州上陸の可能性はゼロとは言い切れないでしょう。
また、海を泳がずとも関門橋経由という方法もあります。
こちらは関門橋の航空写真↑
関門橋のGoogleストリートビュー↑
熊がこの橋を渡って九州へ上陸する可能性は極めて低いかもしれませんが、物理的に渡ることが可能なのが怖い点。
上の地図の赤丸部分は熊が目撃された場所。
そのほとんどは山口県の東部に集中しているのですが、西部でもちらほら目撃情報があります。
福岡県民、特に北九州市にお住いの方は、海を隔てた場所にはまだ熊が生息しているということを覚えておきましょう。
まとめ
重要な点をまとめると、下記の通りになります↓
- 福岡県に野生の熊はいない
- 九州の熊は絶滅している
- 隣の山口県には今も熊が生息している
- 熊が海や橋を渡って九州に来る可能性は低いがゼロではない
福岡・九州にお住いの方は、海を隔てた場所には今尚、熊が生息していることを忘れないようにしましょう。
熊が海を渡って九州へ来る可能性は低いと思われますが、過去に類を見ないような熊による被害が多発している昨今、考えられないことが起こっても不思議ではありません。
また、熊がいない生活に慣れている九州の人は、北海道や本州(特に山など)へ行く際は人一倍気を引き締めておいた方が良いでしょう。