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日本陸上競技選手権大会
6月27日〜30日の日程で博多の森陸上競技場にて、「第103回 日本陸上競技選手権大会」が行われている。
28日の夜に行われた男子100メートル決勝では、宗像にルーツを持つサニブラウン(母親が宗像出身)が10秒02の記録を出し優勝。
この男子100メートル決勝は、サニブラウンの他、桐生祥秀、飯塚翔太、ケンブリッジ 飛鳥などといった陸上界のスター選手が出場したことで大きな注目を集めた。
その模様は、NHKの総合テレビでも全国中継された。
生き返った博多の森陸上競技場
雨上がりの男子100メートル決勝をテレビで見ていて感慨深いものがあった。
なぜなら、スタジアムが満員だったからだ。
おそらく、大人になってから博多の森陸上競技場にあれだけ多くの人が入っているのを見たのは初めてだ。
今大会の会場となった博多の森陸上競技場は1990年に開場したスタジアム。
一時期はJリーグや日本代表の試合が開催されるなど、福岡で行われる大きなサッカーの試合と言えば博多の森陸上競技場一択だった。
しかし、1995年に程近い場所に球技専用の博多の森球技場(レベルファイブスタジアム)ができてからというもの、長らくこのスタジアムでサッカーの試合が行われることはなかった。
また、今回のような大きな大会が行われることもなく、3万人という収容規模がありながら上手く活用されない状態が続いた。
それが故、博多の森陸上競技場のスタンドには一時期、老朽化が顕著に現れ、立入禁止区域もあったほどだ。
言わば、”過去のスタジアム”の象徴のようなものだった。
福岡のスポーツファンの中には、長らく博多の森陸上競技場という存在を忘れていた人も多かったことだろう。若い世代では存在自体を知らない人も多いかもしれない。
その博多の森陸上競技場が、今回の日本陸上競技選手権大会で使われ、尚且つ、全国中継されたことの意義は大きいと思う。
おそらく、テレビで視聴していた人の中には、福岡にはヤフオクドーム、レベルファイブスタジアム以外にこんな大きなスタジアムがあったんだと驚いた方も多いことだろう。
今大会を見る限り、一時期は老朽化により立ち入り禁止となっていた部分も修繕されたようだ。
一度は多くの人の記憶から消えかけたスタジアムが、再び活気を取り戻した瞬間には嬉しいものがあった。
スポーツファンとしては、博多の森陸上競技場が今回のような活気を持続できることを願うばかりだ。