今回は福岡市に現存する最古級の鉄筋コンクリート造りのアパートを紹介します。
場所は祇園。
おそらく祇園に何度か行ったことのある人ならば、見たことがあるはずです。
それはまるで映画のセットに出てきそうな味のある建物で、異世界感が半端ないです。
最古級の鉄筋コンクリート造りのアパート
この記事を書こうと思ったきっかけは「九州異世界遺産(本田純一)」という本。
そこには数枚の写真と共に、下記の文言が記されていました↓
1階はテナントがあり、2階・3階は主に住居となっているこのビルは、1950(昭和25)年に竣工した、福岡市に現存する中では最古級の鉄筋コンクリート造りのアパートである。
「九州異世界遺産」P20
建物の名は、祇園ビル(福岡市博多区上川端町)。
その写真を見て”あの建物か”と思ったものです。
というのも、結構目立つ場所にあり、昔からその存在が気になっていたからです。
古い味のある建物だとは前々から思っていたのですが、まさか福岡市にある最古級の鉄筋コンクリート造りの建物だったとは知りませんでした。
非常に貴重な建物なはず。
ということで、そのことを念頭に入れて先日、改めて祇園ビルへ行ってきました。
祇園ビルの写真
写真中央部分に写っている建物が祇園ビル↑
名称に”ビル”と付いてますが、建物は3階建てです。
画面左側には、あの山笠で有名な櫛田神社があります。
まるで昭和初期にタイムスリップしたかのような雰囲気。
2・3階部分は主に住居。
あの小松政夫さんが幼少期に、この祇園ビルに住んでいたようです。
かろのうろんはごぼう天うどんが有名で、県外から来る人も多い名店。
最古級の鉄筋コンクリート内にあると思うと、より一層雰囲気のある店舗に見えます。
福岡市の最古の鉄筋コンクリートビルは?
ここで気になるのが福岡市最古の鉄筋コンクリートビル。
前述の通り、祇園ビルは福岡市に現存する中では”最古級”の鉄筋コンクリート造りと表現されていますが、”最古”とは記されていません。
ということは、もっと古い建物があるのか? どこが一番古いのだろう?
そう思ってネットで調べたら、簡単に答えを見つけることができました。
福岡市に現存する最古の鉄筋コンクリートは、博多区店屋町にある店屋町ビルだそうです。
こちらはGoogleストリートビューで見た店屋町ビルの外観↑
なかなか年季が入ってますね。
店屋町ビルは1949年に建てられたそうです。
祇園ビルが1950年なので、こちらのビルの方が1年早く建てられたということになります。
尚、店屋町ビルと祇園ビルは同じ福岡市博多区内にあり、距離もそう離れていません。
もしかしたら、1950年前後はこの周辺に福岡の最先端ビルが集まっていたのかもしれません。